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2009/03/01

入院4日目(骨髄採取当日)(2)

 麻酔医の声で麻酔から覚めた時、既に私は手術台ではなく、ストレッチャーに寝かされていました。

 手術前に麻酔をかける時の記憶が残っているのもストレッチャーの上。

 つまり、私自身、手術台に載った記憶はないのです。

 ついでに言えば、執刀医のドクターの姿も見ていません(^_^;)。

 もっとも、採取はうつぶせの状態でやる訳ですから、ストレッチャーで仰向けに寝た状態からゴロリと転がしてうつぶせの状態で手術台に載せ、再びゴロリとストレッチャーに転がして仰向けに戻すのは当然でしょう。

 

 麻酔医の

   「終わりましたよ。気分は悪くないですか?」

の声に答えようと思っ時、口に酸素吸入用のマスクが当てられているのに気づきました。

 ちょっと口を小さめに開けながら、

   「大丈夫です。」

と答えました。

 麻酔医は

   「お疲れ様でした。病室に戻りますよ~。」

と結構明るい声で私を送り出してくれました。

 すぐに看護師さんがストレッチャーを動かし始め、私は手術室から出て、手術部の出入り口まで牽かれて(^_^;)行きました。

 手術部の出入口で、術衣を着た手術部の看護師さんから病棟の白衣の看護師さんにバトンタッチ。

 エレベーター前で、嫁さんと、その後ろからコーディネーターが顔を覗き込みましたので、

   「大丈夫。」

と答えました。

 エレベーターで病室のフロアまで上がり、ナースステーション前を通過すると、今回も看護師さん達の視線。

 病室に入るとストレッチャーをベッドに横付けして、

   「はい、ベッドに移ってください。大丈夫ですか~。」

という声。

 ゆっくりと起きて、仰向けのまま両手で体を支え、両足を少し曲げて、尿道カテーテルを気にしながらベッドへ乗り移り、すぐに頭を枕に乗せました。まだ、腕に力が十分に入らない感じがしました。

 ベッドに寝ると、胸につけられた(ベッドに移ってからつけたか、手術室からつけたままであったか覚えていません。)の端子をベッド横に置かれた心電計に繋がれて、モニター開始。

 口に当てたマスクから、壁のコネクターを通じて酸素も供給され始めました。

 この時に初めて左肘に刺した針に繋がるチューブには血液が流れていることに気づきました。自己採血した800ccのうちの400ccのバッグが1個、スタンドにぶら下げられていました。最初の400ccは採取中に入れたそうです。

 右の写真は、生存証明というか、記念ってことで、嫁さんに

   「写真撮って。」2008_110300

と言って、撮ってもらった写真です。

 時計を見ると、午前11時を少し過ぎていました。予定より30分くらい早く終わったようです。

 とりあえず、まだ体を動かすのが重たい感じでしたし、尿道カテーテルは初体験で、どの程度体を動かしてもいいのかがわからず、じっと同じ姿勢で寝ていました。

 左足の踵がシーツの下に敷かれたパッドの端に当たって、それが痛くて看護師さんにお願いしてタオルを1枚入れてもらいました。

 看護師さんは

   「もう少し様子を見て、問題なければカテーテルも外します。水はもう少し我慢してくださいね。夕食も普通食で食べられると思います。夕方に一回、抗生剤の点滴をしますので、左手の甲の針はその時までそのままにしておきます。」

と説明してくれましたが、私としては左手の甲(小指の付け根側)に指した点滴用の針が痛くて嫌でした。

 ベッドに横になってしばらくしてから、尿道カテーテルを通じて排尿する感覚がわかるようになりました。

 30分もせずに自己血の輸血が終わると、左肘の針は抜かれました。

 酸素マスクを外したのもこのころであったと思います。

 しかし、左手甲の針はそのまま。ジンジンと痛みます。

 とりあえず、特に体調に変わったところはないものの、気分的には体が落ち着いていない気がして、努めてじっと寝ていようと思っておりました。

 尿道カテーテルの違和感、時々感じる排尿感は何とも言えず、左手の甲の点滴用の針の痛みは時間が経過するほど苦痛になってきました。

 コーディネーターさんは、自己血の輸血が終わった頃に帰って行きました。

 また、嫁さんはいったん昼食を食べに行った後、1時間くらい病室に居ましたが、、思った以上に私がダメージのない様子であったのと、子供の帰宅時間の関係から帰宅しました。

 採取位置と知らされていた尻の上部分にも全く痛みは感じません。どこをどのように刺されたのか、違和感すら感じておりませんでした。

 その一方で、左手甲の針の痛みはどんどんつらくなり、看護師さんの巡回の時に、

 「すみません。この針は痛いんで、外してもらえませんか。抗生剤の点滴はその時にもう一度別の所に刺してもらって構いませんから。」

とお願いしたところ、看護師さんは一度ナースステーションに戻り、ドクターに相談してくれ、針を外してくれました。

 その後、看護師さんは時々様子を見に来て、体温や脈、血圧をチェックしていきますが、至って良好。

 病室に戻ってから3時間くらいしてだったでしょうか。ついに手術室では姿を見かけなかった執刀医(=調整医師)のドクターが病室にやって来ました。

    「○○さん、どうですか~?」

いつもながら、ゆるい感じで、作り笑いなのか、心からの笑いなのか識別しづらい表情で私の目をじっと見つめます。

   「・・・・・、気分が悪いとか、ないですか?」

1つ目の質問に続く2つ目の質問がいつもワンテンポ遅れた感じです。

   「大丈夫です。意外とスッキリしてます。」

と答えると、頷いて

   「そうですか。結構、骨髄液の出が良くて、予定より早く終わりましたねえ。」

と言いました。

 かなり回復して余裕が出てきていた私は、ちょっとギャグでもかましてやろうかと思って

   「そうですか。ジューシーだったんですね。」

と答えたところ、ドクターは黙って私の目を見つめました。

   微妙な空気・・・。沈黙。

2回くらい呼吸してから、ドクターは

   「ああ、そうですね。」

と表情を緩めながら言いました。

 私は

   「この人、今のギャグだってわかってくれたのかなあ・・・・。」

と心配しましたが、ドクターから、

  「頂いた骨髄液は、ドクターに引き継いで、もう飛行機で患者さんの病院に向かってますよ。今回は血液型が違ったので前処理が必要になりますので・・・・、そうですねえ、患者さんの体への移植が始まるのは7時か8時くらいでしょうかねえ。」

と説明を受けました。

 また、最後にドクターから、

  「本当に、ありがとうございました。」

とお礼を言われました。

 この言葉で、

  「おわった~・・・・。」

 本当に、力が抜けるような感じがしました。

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